最近、『ピクミン』に夢中っす!
2001年に発売されてから多くの人々に愛され続けている『ピクミン』シリーズ。
登場人物が謎の惑星『PNF-404』に遭難し、ピクミンという謎の生物に出会うのがシリーズお決まりの流れ。
ピクミンは自分達以外でリーダーを作る習性があり、各シリーズの登場人物をリーダーとして付いてきます。
そんなピクミンと協力して宇宙船のパーツやお宝などを集めて目的を達成するというのがシリーズ共通の内容です。
2023年に最新作『ピクミン4』や過去シリーズのNintendo Switch版が発売され、再び大きな盛り上がりを見せています。
ピクミンとの冒険が楽し過ぎて止まらない!
今日も帰ったら冒険に行くっす!
オマエ、ピクミン知ってるノカ。
なら、オレとピクミンのこと考えるゾ。
いきなり誰っすか!?
今日は予定があるので遠慮したいんっすけど…
オレ、『モジャミン』。
よろしくナ。
完全に無視(汗)
ていうか、あの頭の葉っぱって…
ピクミンシリーズにはピクミン以外にも多種多様な生物が登場し、それらの特徴や生態をまとめた『原生生物図鑑』は大人気コンテンツ。
特に全シリーズに登場(遭難)している『キャプテン・オリマー』(以降、『オリマー氏』)がまとめた内容は現実の生物学に沿って書かれていることが多く、生物好きなら一日中読んでも飽きません。
大人気の原生生物図鑑ですが、これまではピクミン以外の原生生物しか載っていませんでした。
しかし、ピクミン4の原生生物図鑑では各種ピクミンが追加され、ピクミンは『ピクミン科』に分類されることが判明。
『科』は現実世界の分類体系にも含まれており、分類体系は一般的に『ドメイン→界→門→網→目→科→属→種』という順になっています。
人間を例に挙げると、「真核生物→動物界→脊椎動物門→哺乳綱→霊長目→ヒト科→ヒト属→ヒト」。
このように生物の分類体系を構築していく学問を『分類学』と呼びます。
ピクミンの世界でも『科』を使っていることから、現実世界の分類学が適応されていると考えられます。
しかし、『科』以外のピクミンの分類は発表されていません。
なので、本記事から数記事かけて分類学的なピクミンの分類を考察したいと思います。
ピクミン謎多い生物。
だから、まず分類考えるゾ。
分類学は専門外だけど、面白そう!
どこまで考察するんっすか?
『ドメイン・界・門・綱・目・科・属・種』を当てはめるゾ。
めっちゃ長くなる予感(汗)
長くなるから何回かに分けるヨ。
今回は『ドメイン』と『界』の分類を考えるゾ。
ピクミンを題材に分類学を学べるので、以下のような方にオススメの記事となります。
- 『ピクミン』に興味がある
- 『分類学』の初学者
上記に当てはまらない方も楽しめる内容になっておりますので、最後までお読みいただけますと幸いです。
ただし、筆者は分類学の専門家ではありません。
可能な限り調べてはいますが、あくまで1ブロガーの考察であることをご了承いただいた上でお読みください。
各種類のピクミンは別種なのか
ピクミンには様々な種類がおり、シリーズを通して9種類のピクミンが登場しています。
初代から登場している『赤ピクミン』・『黄ピクミン』・『青ピクミン』。
ピクミン2から登場する『紫ピクミン』・『白ピクミン』。
ピクミン3から登場する『岩ピクミン』・『羽ピクミン』。
そして、ピクミン4が初登場の『氷ピクミン』と『ヒカリピクミン』。
各種類のピクミンには特徴があり、色以外の形態的特徴と性質的特徴をまとめると以下の表のようになります。
形態的特徴 | 性質的特徴 | |
赤ピクミン | 鼻のような突起 | 火や熱への耐性 |
黄ピクミン | 耳のようなヒダ | 電気への耐性 |
青ピクミン | 口のようなエラ | 水中での活動が可能 |
紫ピクミン | デ…太い体格 | 他種類比10倍の重量と筋力 |
白ピクミン | 大きな赤い目 | 多様な毒への耐性 |
岩ピクミン | 岩の体 | 高い物理耐久 |
羽ピクミン | 青い目、背中の翅 | 飛行能力 |
氷ピクミン | 氷の体 | 寒冷への耐性 |
ヒカリピクミン | 非対称な目、浮遊体 | 夜行性、多様な耐性 |
このように形態的にも性質的にも特徴的なピクミンですが、これだけで必ずしも別種とは限りません。
例えば、現実世界ではチワワやブルドッグなど外見が大きく異なる犬でも『イエイヌ』という同種に当てはまります。
また、ピクミンの世界でも体色や性質が異なっても同種である『セオイカナエグモ(通称:ショイグモ)』という原生生物が登場します。
上記例のように形態的特徴や性質的特徴が異なっても同種となる例は存在します。
なので、本章では各種類のピクミンが『種』において同種か別種なのかを確認していきます。
まず、ピクミンのこと確認するゾ。
今発見されてるのは9種類。
ピクミンの種類も増えたなー
この9種類が『種』に当てはまるんっすか?
そうとは限らないヨ。
見た目だけじゃなく、『DNA情報』も重要。
DNA情報による『種』の分類
分類体系において基本単位である『種』ですが、実は定義が1つにまとまっていません。
外見や解剖によって分類する『形態学的種概念』、交配の可否つまり子孫を残せるかで分類する『生物学的種概念』などが考案されてはいますが、「全ての種に適用できる定義が存在しない」というのが現状です。
また、これらの概念による分類では「研究者の主観」や「確認の困難さ」などにより同種を別種としたり、別種を同種としてしまう例が散見していました。
そんな曖昧な状況の中で、近年の分類学で主流になってきているのが『DNA情報』による分類。
DNA情報は研究者の主観が入らない客観的な要素であり、毛など生物の一部分さえあれば確認可能。
解析の精度の高くなった近年では、DNA情報は分類の精度に大きく貢献しています。
見た目違っても同種の可能性あるヨ。
ピクミンの分類にもDNA情報が必要ネ。
ピクミンの分類をDNAの『塩基配列』で判断するんっすね!
DNA情報を具体的に言うと、DNAの『塩基配列』です。
生物は『DNA』、特に『遺伝子』の塩基配列によって特徴づけられていると言っても過言ではありません。
生物系の学問を学んだことがある方からすれば、知っていて当然の内容かと思います。
しかし、そうでない読者の中には以下のような疑問が浮かぶのではないでしょうか。
『塩基配列』って何?
『DNA』と『遺伝子』って同じじゃないの?
このような疑問がある読者のために少し基礎的な内容を書きますので、そうでない方はここまで読み飛ばしてください。
生物は様々な『タンパク質』で構成されており、それを生成する情報となるのが『核酸』という化学物質。
核酸には『DNA』と『RNA』の2種類が存在し、『糖』・『リン酸』・『塩基』から成る『デオキシリボヌクレオチド』または『リボヌクレオチド』から構成されています。
このようにDNAやRNAというのは単なる化学物質の名称なのです。
2種類の核酸の主な違いは糖の種類であり、DNAの場合は『デオキシリボース』、RNAの場合は『リボース』。
また、それぞれ塩基は4種類ですが、DNAでは『アデニン(A)』・『グアニン(G)』・『シトシン(C)』・『チミン(T)』、RNAではTの代わりに『ウラシル(U)』が使われています。
DNAの場合は「A-T」と「G-C」が水素結合する相補的な関係であり、相補的な2本のDNA鎖が結合することで『二重らせん構造』となります。
DNAとRNAの違いを表にまとめると以下のようになります。
『糖』の種類 | 『塩基』の種類 | 基本的な構造 | |
DNA (Deoxyribonucleic acid) | デオキシリボース | A、G、C、T | 二重らせん |
RNA (Ribonucleic acid) | リボース | A、G、C、U | 一本鎖 |
ここまでDNAやRNAの構成要素について説明したので、次はどのように情報として機能するのかを説明します。
一般的にDNAは複数のデオキシリボヌクレオチドが結合しており、それに伴って4種類の塩基が並ぶことになります。
この並び順が『塩基配列』であり、タンパク質を生成するために必要な情報。
タンパク質の生成過程をかなり大雑把にすると、DNAの塩基配列を元にRNAを生成する『転写』、そのRNAの情報からタンパク質を生成する『翻訳』に分けられます。
このような「DNA→RNA→タンパク質」の情報の流れは『セントラルドグマ』と呼ばれ、一部のウイルスなどの例外を除いたほぼ全ての生物に当てはまります。
セントラルドグマにおける最終産物であるタンパク質は20種類の『アミノ酸』から構成されています。
タンパク質は複数のアミノ酸が特定の結合で並んでおり、その並び順を決めるのがDNAの塩基配列。
3つ1組で1つのアミノ酸の情報(『コドン』)となり、各コドンが示すアミノ酸は以下の表の通りです。
上記表に対応したアミノ酸が集められ結合することでタンパク質が生成されます。
ただし、DNA全てにタンパク質の情報が含まれているのではなく、一部の領域のみ。
このタンパク質の情報を含んだDNAの領域を『遺伝子』と呼びます。
『DNA』は化学物質の名称!
『遺伝子』はタンパク質の情報をもつDNAの領域!
特定の領域を遺伝子と呼ぶ一方で、1個体におけるDNAの全領域あるいは遺伝子の全情報を 『ゲノム』と呼びます。
ゲノムの塩基配列(以降、『ゲノム配列』)の相同性は同種では限りなく近く、ヒト同士のゲノム配列(約30億塩基対)の相同性は約99.9%。
意外なことにメジャーリーグで大活中の大谷 翔平選手でも彼が野球星人でなければDNA情報は一般人と約0.1%しか変わらないのです。
この0.1%の違いは『SNP(一塩基多型)』と呼ばれる1塩基の変異がDNAに点在することが由来であり、特に遺伝子に存在するSNPは体質などの個体差に大きく関わる場合があります。
一方で別種の場合は、諸説ありますが同じヒト科であるヒトとチンパンジーでゲノム配列の相同性は約96〜99%。
ゲノム配列が1〜4%の異なると、SNPだけでなくDNAの一部分が消失する『欠損変異』や逆に追加される『挿入変異』などが広範囲で起きて塩基配列が大きく変わっていると考えられます。
各種類のピクミンのゲノム配列の違いが『SNP』による小さなものか『欠損変異』や『挿入変異』などによる大きなものか気になるっすね!
SNPレベルの変異なら個体レベルの差の可能性もあるからネ。
原生生物図鑑のオリマーメモに参考になる内容あったゾ。
神様、仏様、オリマー様!
ピクミンは原生生物のDNAを取り込む説
話をピクミンに戻すと、各種類のピクミンを別種とするならばゲノム配列の相同性がどの程度か気になるところ。
ピクミンのDNAに関する内容が原生生物図鑑のオリマー氏の記述にあったので、そこから考察していきます。
太古の羽オニヨンが原生生物の飛行能力のDNAを取り込み、羽ピクミンへ形質を転移させたのでないかと考えられる。
ピクミン4 原生生物図鑑 『羽ピクミン』
なんと、羽ピクミンの翅は原生生物のDNAを取り込んだ結果であるとオリマー氏は仮説を立てています。
この仮説が正しければ、ピクミンは自身のDNAに原生生物のDNAを組み込む『挿入変異』を頻繁に起こしていると考えられます。
ピクミンの特徴が発現する程の挿入変異となると複数の遺伝子を丸ごと取り込んでいると考えられ、ゲノム配列が別種レベルで異なる可能性は十分にあります。
オリマーの仮説だとピクミンは原生生物のDNA取り込ム。
仮説本当ならDNA情報の観点からも別種になる可能性が高いヨ。
オリマーさんには今すぐにホコタテ運送から研究者に転職して、この仮説を証明する論文を書いてほしいっす!
各種類のピクミンの『和名』と『学名』
ここまでの内容から各種類のピクミンは歴とした別種である可能性が非常に高いと言えます。
さらに、最近では各種類のピクミンの『和名』や『学名』が公開されています。
簡単に説明すると、和名は「日本語での正式名称」で学名は「世界共通の正式名称」。
人間で例えると、和名は『ヒト』、学名は『Homo sapiens』になります。
現実世界では記載論文によって新種であると認められなければ和名や学名は付きません。
和名と学名が発表されたことで、「各種類のピクミンは別種である」と公式から示されたようなものでしょう。
公式サイトである『PIKMIN GARDEN』の情報をまとめると以下の表のようになります。
通称 | 学名 | 和名 |
赤ピクミン | Pikminidae rubrus | アカネピクミン |
黄ピクミン | Pikminidae auribus | ミミヅキピクミン |
青ピクミン | Pikminidae caerula | ミズアオイピクミン |
紫ピクミン | Pikminidae yokozunum | ヨコヅナピクミン |
白ピクミン | Pikminidae venalbius | シロブシピクミン |
岩ピクミン | Pikminidae habisaxum | イワヤドリピクミン |
羽ピクミン | Pikminidae volarosa | モモイロトビピクミン |
氷ピクミン | Pikminidae habiglacius | コオリヤドリピクミン |
ヒカリピクミン | Pikminidae supravelum | トコヨノヒカリピクミン |
ピクミンにも『和名』や『学名』があったんっすね!
和名と学名あるなら別種と認められたようなものネ。
だから、前提として9種類全て別種って考えるヨ。
全部別種という前提で話を進めるってことっすね!
ピクミンは『真核生物』
生物の分類体系において最も高い位置にある『ドメイン』。
一般的には『真正細菌』・『古細菌』・『真核生物』の3つに分類される『3ドメイン説』が主流です。
真正細菌と古細菌は核や細胞小器官をもたない『原核生物』としてまとめられる場合もあり、これに分類される生物は全て1つの細胞から成る『単細胞生物』。
一方で、真核生物は核や細胞小器官をもつ生物の分類であり、複数の細胞から成る『多細胞生物』も含まれます。
『核』と『細胞小器官』の有無 | 細胞 | |
真核生物 | ○ | 単細胞 or 多細胞 |
原核生物 (真正細菌、古細菌) | × | 単細胞 |
単細胞生物の大きさはμm単位(1 μmは1 mmの1/1000)であり、1個体を目視するのは基本的に不可能。
体長が数cmあると推測されるピクミンが単細胞生物とは考えにくく、原核生物(真正細菌または古細菌)である可能性はないと言っていいでしょう。
消去法でピクミンのドメインの分類は『真核生物』ということになるでしょう。
ピクミン、間違いなく『真核生物』。
小さいとはいえ、ピクミンは目視できる大きさっすもんねー
単細胞生物じゃないなら、真核生物で確定っすね!
問題は次。
ピクミン、動物界か植物界のどっちかネ。
ピクミンファンの中でも意見が分かれるとこっすね(汗)
ピクミンは動物と植物のどちらか
生物の分類体系においてドメインの次に高い位置にある『界』。
最も有名な『5界説』では、真核生物を『動物界』・『植物界』・『菌界』・『原生生物界』の4界、原核生物(古細菌と真正細菌)を『モネラ界』の1界に分類しています。
古細菌や真正細菌を一括りにしていることからお察しの通り、5界説はドメインという概念ができる前の古い説です。
厳密に言うと更に細かい『スーパーグループ』という分類がありますし、現代では高校生物くらいでしか扱われていません。
しかし、今回重要なのはピクミンが動物と植物のどちらかという点。
なので、本記事では動物界と植物界というわかりやすい分類をした5界説を採用します。
決して調べるのが面倒になったわけではありません。
最近、『スーパーグループ』ある。
でも、わかりづらいヨ。
たしか、動物界や菌界の大半が『オピストコンタ』、植物界の大半が『アーケプラスチダ』に分類されるやつっすよね?
そうだけど、正直ピンとこないネ。
『5界説』古いけど、今回は動物か植物か分類できれば十分。
5界説を採用すると決定したところで、真核生物の4界の特徴を表にまとめます。
光合成 | 細胞壁 | 栄養摂取 | 細胞 | |
動物界 | × | × | 従属栄養 (摂食) | 多細胞 |
植物界 | ○ | ○ | 独立栄養 | 多細胞 |
菌界 | × | ○ | 従属栄養 (表面吸収) | 単細胞(酵母) or 多細胞 |
原生生物界 | ー | ー | ー | 単細胞 (一部、多細胞) |
表の通り、界を分類する主な要素は『光合成』と『細胞壁』。
一般的に光合成を行う多細胞生物は植物界に分類されます。
また、植物界の生物の細胞には『セルロース』を主成分とした細胞壁が存在します。
一方で、光合成を行えない多細胞生物は動物界または菌界に分類されます。
ここで動物界と菌界を分類するのに役立つのが細胞壁の有無。
植物界の生物と成分の異なる細胞壁が存在すれば菌界、細胞壁自体が存在しなければ動物界に分類されます。
ちなみに、原生生物界は単細胞の真核生物のことを指し、かなり曖昧な分類となっていたようです。
動物と植物の分類に重要なの『光合成』と『細胞壁』。
光合成して細胞壁があれば植物界、どちらも当てはまらないなら動物界って感じっすね!
もっと言えば、光合成せず細胞壁があれば菌界に分類されル。
これらを参考にしてピクミンの分類を決めるヨ。
ピクミンの光合成
生物が植物界に分類されるかを考える上で最も重要な要素である『光合成』。
簡単に説明すると、光エネルギーを化学エネルギーに変換して二酸化炭素から糖を合成する反応です。
光合成で得た糖が栄養源となり植物は成長することができます。
また、一般的な光合成では以下の化学式のように副産物として酸素が発生し、これによってヒトを始めとした多くの生物が地球上で生存可能となります。
植物が光から栄養を得るのが『光合成』!
副産物で発生する酸素のおかげで生物は呼吸ができるっす!
光合成するかはピクミンが動物か植物かの判断に大事ネ。
その前に光合成がどこで行われてるのか復習しておきましょう!
たしか、『葉緑体』が関係していたはずっす。
植物で光合成が行われるのは細胞内に存在する『葉緑体』という細胞小器官。
葉緑体の中では『チラコイド』という膜が重なり、『グラナ』という構造を形成しています。
さらに、チラコイドには様々な種類の『光合成色素』が存在しており、葉緑体に光エネルギーを集める役割をしています。
一般的な植物には『クロロフィル』という光合成色素が多く存在しており、クロロフィルが緑色以外の可視光を吸収することで葉などが緑色に見えます。
葉緑体には『光合成色素』が存在します!
その中の『クロロフィル』の影響で植物の葉は緑色に見えるんっすね!
じゃあ、葉っぱ状態のピクミンが光合成するのは確定だナ。
あの葉っぱの光合成だけでピクミンの栄養に足りるんっすかね?
動くために普通の植物よりも栄養使ってるでしょうし…
こういう時は原生生物図鑑のオリマーメモの出番ネ。
助けて、オリマー様!泣
葉っぱ状態が存在するピクミンの細胞には葉緑体およびクロロフィルが存在している可能性は非常に高いです。
つまり、ピクミンは光合成を行っていると考えられます。
しかし、ピクミンの葉は1枚のみであり、その葉による光合成だけでピクミン1匹分の栄養に足りるとは思えません。
この疑問に対するヒントを青ピクミンの原生生物図鑑のオリマー氏の記述で見つけたので、一部引用します。
体表面に、藍藻やシアノバクテリアと同じ光合成を行う色素タンパク質を持っており、美しい青色の体色になっている。
ピクミン4 原生生物図鑑 『青ピクミン』
上記内容から少なくとも青ピクミンが光合成を行っていることは確定。
藍藻やシアノバクテリアと同じということなので、青ピクミンがもつ光合成色素は『フィコシアニン』と予想されます。
フィコシアニンは青色以外の可視光を吸収するため、それが全身に存在する青ピクミンの体色は青というわけです。
光合成色素が全身に存在するということは、青ピクミンは全身の細胞で光合成をしているということ。
全身の細胞で光合成を行っているなら、動き回るピクミンの栄養を補える可能性は十分にあると考えられます。
また、青ピクミン以外も全身で光合成を行っていると仮定すると、赤ピクミンは『フィコエリトリン』、黄ピクミンは『β-カロテン』など各種ピクミンの色の違いは葉緑体に存在する光合成色素の違いによるものであるとも考えられます。
オリマー、青ピクミンの体表に光合成色素発見した。
これ青ピクミンが全身で光合成してる証拠ネ。
体表の光合成色素を発見するとか、オリマーさんは本当に運送会社の人なんっすかね?汗
ピクミンしか興味ないから知らナイ。
でも、この発見ピクミンの体色が違う理由かもしれないヨ。
光合成色素によってピクミンの体色が決まる可能性っすね!
今後の原生生物図鑑で判明してほしいなー
ピクミンの細胞壁
光合成の観点からピクミンは植物界に分類される可能性が高いと考えられます。
もう一つの主な要素である『細胞壁』の観点からはどうでしょう。
細胞壁は細胞膜の外側に存在しており、体を支えたり外敵の細胞への侵入を防ぐなどの役割があります。
植物の細胞壁の場合『セルロース』という非常に安定した化学物質が主成分です。
植物細胞の細胞壁の主成分はとても丈夫な『セルロース』!
骨格のない植物は細胞壁があることで体を支えられてるっす!
オリマーメモでセルロースについての記述あったゾ。
再三のオリマー様!!!
赤ピクミンの原生生物図鑑にオリマー氏は以下のような記述をしています。
生物でありながら炎に強いなど驚くべき特徴があるが、これは皮膚や筋繊維が難燃性のセルロースでできているためである。
ピクミン4 原生生物図鑑 『赤ピクミン』
オリマー氏は赤ピクミンの火や熱への耐性が難燃性のセルロースによるものであることを解明したとのこと。
文面からして確信をもって原生生物図鑑に記述していると考えられます。
難燃性という点は置いといて、赤ピクミンからはセルロースが検出されたなら細胞壁は存在すると言っていいでしょう。
オリマー、赤ピクミンが火に強い理由解明したゾ。
難燃性のセルロース!?
なんだかノーベル賞級の発見な気が…
セルロースあるなら細胞壁もあるはずネ。
ただ、細胞壁あったら普通動き回れないヨ。
そういえばそうだ(汗)
ピクミンはなんで自由に動けるっすかね?
オリマーメモで調べるカ。
もうオリマーさんには頭が上がらないっす(汗)
赤ピクミンは細胞壁が存在するのになぜ自由に動き回れているのでしょうか。
また、他の種類のピクミンにも細胞壁は存在するのでしょうか。
上記の疑問のヒントになりそうな記述が黄ピクミンの原生生物図鑑にありました。
ピクミンの体はもともと植物の根であり、筋肉や脳の神経回路などの代替となる組織を年月をかけ獲得していったと考えられる。
ピクミン4 原生生物図鑑 『黄ピクミン』
ピクミンは植物の根から進化してきた生物であるとオリマー氏は仮説を立てています。
この仮説が正しければ、ピクミンは植物細胞で構成されていることになり、ほぼ確実に細胞壁をもつことになります。
細胞壁をもつと細胞の柔軟性を失い基本的に動けないはずですが、筋肉などの代わりとなる組織を植物細胞で作り出しピクミンは動けていると考えられます。
光合成と細胞壁の観点から、ピクミンの界の分類は『植物界』ということになるでしょう。
ピクミンの界の分類は『植物界』と判断したヨ。
光合成や細胞壁の主成分のセルロースについて言及があるので、間違いなさそうっすね!
エピローグ
とりあえず、今回はこんなところネ。
現状の考察をまとめるとこんな感じっすかねー
考察まだ始まったばかりネ。
これからも協力頼むゾ。
まだ始まったばかり…
なんだかんだ楽しいし、頑張るっす(泣)
本記事の参考文献は以下の書籍です。
筆者の岡西 政典氏は『テヅルモヅル』という生物を専門とし、数多くの新種を発見した分類学者。
分類学の基礎や歴史を学べるだけでなく、実体験を交えた新種発見の過程まで書かれています。
最後には分類学の役割や必要性について熱く語られており、分類学を学ぶならぜひ一読してほしい一冊です。
今回の記事はこれで終わりです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!