『葬送のフリーレン』を読んだら冒険に行きたくなったっす!
2023年から2024年にかけて大人気のアニメ作品である『葬送のフリーレン』。
エルフの魔法使い『フリーレン』が主人公であり、彼女が所属していた勇者パーティーが魔王を倒した後の物語です。
1000年以上生きたエルフであるフリーレンが人間を知るための旅をする過程が描かれています。
大人気のアニメでは『一級魔法使い試験編』が始まり、さらに盛り上がることが予想されます。
今後の展開が気になるという方は、2024年2月時点で12巻と非常に読みやすい巻数の単行本もオススメです。
お!良い筋肉の戦士を発見ニャ!
そこの君、ちょっと魔物の討伐を手伝うニャ!
良い筋肉だなんて照れるっすね!
ちょうど冒険したかったので、僕でよければ任せてください!
物理担当がいなくて困ってたから助かるニャ!
ニャーは『ウィズニャー』!よろしくニャ!
僕はノウキンっす!
物理攻撃は任せてください!
コイツ、チョロすぎニャ(笑)
単純そうだし、ニャーの盾にピッタリニャ!
葬送のフリーレンには数多くの魅力的なキャラクターが登場し、人気投票も行われています。
第1位は勇者『ヒンメル』、第2位は主人公『フリーレン』と順当なのですが、第3位で珍事が発生。
なんとメインキャラクター達を抑えて人気投票第3位に『ミミック』がランクイン。
いつぞやの『コイルショック』が思い出されますね…
ミミックはダンジョンなどで宝箱の姿をして、宝箱を開けに来た冒険者を襲います。
ダンジョンには一定数いるようですが、ある程度の実力者には気にも留められない存在のようです。
つまり、ミミックはダンジョンにいる雑魚キャラ。
マリオで例えると『クリボー』のような存在であり、それが人気投票の上位にランクインしているのです。
人気なのはミミックに食べられているフリーレンというツッコミをしてはいけない。
本記事では、そんな雑魚キャラにも関わらず作中屈指の人気を誇るミミックについて考察します。
今回討伐するのは『ミミック』!
あの大人気のミミック!?
そんなやつを僕に倒せるのか…?
何をそんなにビビってるニャ?
ミミックはそんな強い魔物じゃないニャ。
え…そうなんっすか!?
しょーがない、討伐に行く前にミミックの知識を叩き込んでやるニャ。
体が魔力の粒子で構成された『魔物』
フリーレンの世界では当たり前のように存在する『魔物』。
作中では現実世界に存在する動物や植物に似た姿をした魔物が多く確認されています。
さらに、フリーレンの世界では現実世界に存在しない『竜』も魔物に分類。
このことから、現実世界の常識では考えられない姿をした魔物が存在してもなんら不思議ではありません。
案の定、現実世界には存在しない宝箱の姿をしたミミックも魔物に分類されています。
ミミックも魔物なんっすね!
でも同じ魔物である竜とかと共通点がないような?
良い着眼点ニャ!
次は魔物の共通点を説明するニャ。
種類によって姿が全く異なる魔物ですが、共通点があります。
それは死亡後に魔力の粒子となって消えること。
作中で討伐された魔物の大半が魔力の粒子となっているのが確認されています。
魔物は倒すと魔力の粒子になるニャ。
確かに倒すと黒い霧みたいに消えちゃいますね。
あれって魔力の粒子だったんっすねー
そういうことニャ。
これは人型の『魔族』にも当てはまるニャ。
作中でフリーレン一行に何度も立ちはだかる『魔族』。
魔族は作中で「言葉を話す魔物」と定義されており、人類を欺くために魔物が人型に進化したと考えられます。
「言葉を話す魔物」と定義されるだけあって、魔物と同様に死後は魔力の粒子となります。
魔族も魔力の粒子になっちゃうんっすね。
普通の生物でこんなことは起こらないニャ。
この共通点は魔族が「言葉を話す魔物」である根拠ニャ。
一般的な生物はタンパク質や脂質などから成る細胞で構成されています。
細胞の分解には時間がかかるので、死体が粒子となって消えることはありません。
つまり、魔物や魔族は体の構成要素から一般的な生物と異なるということ。
恐らく、魔物の定義は「体が魔力の粒子で構成されている生物」といったところでしょう。
体の構成要素から異なると、一般的な生物とは分類学的に非常に遠縁であることが予想されます。
ミミックも討伐後に魔力の粒子になることが確認されており、予想される魔物の定義に当てはまります。
当然ミミックも倒すと魔力の粒子になるニャ。
死んだら粒子になっちゃうなんて…
ミミックがちょっとかわいそうっすね(汗)
そんな感情は不要ニャ。
跡形もなく葬るのニャ。
容赦ない(汗)
でも、頼まれたからには心を鬼にしてやっつけるっす!
宝箱に擬態する
ミミックの名前の由来は英語の「mimic」。
日本語で「真似をする」という意味であり、それをそのままカタカナにしたド直球なネーミングです。
そんなド直球な名前を付けられたミミックが真似をするのは『宝箱』。
このように生物が姿を他の物に似せることを『擬態』と呼びます。
ミミックは宝箱に『擬態』するのが厄介ニャ。
擬態は以前教えてもらったっす!
確かいくつか種類があったような…
知ってるなら、思い出しがてら説明よろしくニャ。
擬態は、それを行う生物の目的によって大きく3つに分類されます。
捕食者に発見されないことを目的とした『隠蔽的擬態』。
獲物を狩ることを目的とした『攻撃擬態』。
あえて目立つことで捕食者を欺くことを目的とした『標識的擬態』。
それぞれの具体例などは以下の記事で説明しているので、詳しく知りたい方はぜひご一読ください。
ミミックの擬態は宝箱を開けに来た冒険者つまり獲物を狩ることが目的。
このように獲物を狩ることを目的とした擬態は『攻撃擬態』に分類されます。
ちなみに、現実世界の例では、花に擬態して獲物を待ち伏せする『ハナカマキリ』が有名です。
擬態は『隠蔽的擬態』・『攻撃擬態』・『標識的擬態』の3種類に大きく分けられるっす!
その通りニャ!
じゃあ、ミミックはどれに当てはまるニャ?
ミミックは宝箱を開けに来た冒険者を襲うから『攻撃擬態』っすね!
正解ニャ!
擬態に引っかからなければ襲ってこないニャ。
なぜ絶滅しないのか?
宝箱に擬態して冒険者を捕食しようとするミミック。
魔法が発達していなかった時代では数多くの冒険者が犠牲になったことでしょう。
しかし、作中の時代では宝箱がミミックかどうかを確認する魔法が存在します。
その名は『宝箱を判別する魔法(ミークハイト)』。
宝箱とミミックを判別する『ミークハイト』という魔法があるニャ。
そんな便利な魔法があるんっすね!
しかも、この魔法はとても精度が高いニャ。
その精度はなんと99%!
ほぼ外さないってことっすね!
ミークハイトの精度は驚異の99%。
ミークハイトを使える魔法使いがいれば、ミミックの擬態はほぼ確実に見破れます。
1%の確率に賭けるフリーレンのようなギャンブラーもいるようですが。
しかし、フリーレンのような例はかなり稀。
さらに、このような行動をするのは高確率で事後対応可能な実力のある魔法使い。
実際、フリーレンはミミックに食べられた際に内側から爆破していたようです。
このように作中の時代ではミミックが獲物を狩ることは非常に難しいと予想できます。
ミークハイトの普及からどれ程の年月が経っているか不明ですが、一般的な生物なら絶滅不可避な状況と言えるでしょう。
このような状況で「なぜミミックは絶滅しないのか?」という疑問が浮かぶのは当然です。
ミミックに関する描写が少ないので想像にはなりますが、本章ではこの疑問に対する筆者の考察を書いていきます。
ミークハイトさえあればミミックは怖くないニャ。
冒険者もミミックに怯えずに宝箱を開けられますね!
でも、こんな魔法があるのにミミックって絶滅しないんっすかね?
ミミックが絶滅していない正確な理由は不明ニャ。
ただ、ミミックが基本的に動かないことが関係あるみたいニャ。
生物が生命活動をするのにエネルギーは必要不可欠。
現実世界の生物であれば、食物に含まれる栄養などから化学反応を起こすことで得られます。
その際に重要なのは、「生体のエネルギー通貨」と呼ばれる『ATP(アデノシン三リン酸)』。
本筋ではないので細かい内容は省きますが、ATPが加水分解される際にエネルギーが発生します。
生命活動に必要なエネルギーの発生には『ATP』が重要ニャ。
ATPが加水分解されるとエネルギーが発生するんっすよね!
そういえば、魔力も生命活動に必要なエネルギーなんっすかね?
いや、魔力はあくまで魔法専用ニャ。
一方で、フリーレン世界の生物はどうでしょう。
フリーレン世界には魔力が存在しており、あらゆる生物が魔力をもっていると考えられます。
もし本当にそうなら、フリーレン世界では魔力が生命活動に必要なエネルギーである可能性があります。
しかし、魔物や魔族以外のフリーレン世界の生物が魔力を生命活動のエネルギーにしている可能性は限りなく低いです。
なぜなら、作中で魔力切れを起こした魔法使いが殴り合いをおっ始めたからです。
魔力が生命活動に必要なエネルギーであれば、魔力切れの状態で殴り合いなどできるはずがありません。
つまり、フリーレン世界の一般的な生物にとって魔力はあくまで魔法専用のエネルギー。
生命活動に必要なエネルギーは現実世界と同様にATPの加水分解によって発生すると考えるのが妥当でしょう。
殴り合いじゃぁぁぁぁッ!!!!
何をふざけてるのニャ。
ちゃんと体力は温存しとくニャ。
つい叫びたくなってしまった(汗)
ところで、魔物や魔族にとっても魔力は魔法専用のエネルギーなんっすかね?
いや、魔物や魔族は普通の生物とは魔力の扱いが違うニャ。
フリーレン世界の一般的な生物にとって魔力は魔法専用のエネルギーですが、恐らく魔物や魔族は事情が異なります。
なぜなら、魔物や魔族は体そのものが魔力の粒子で構成されているからです。
つまり、魔物や魔族にとって魔力は体の一部。
作中でも『黄金郷のマハト』が魔法を手足のように使えることを示唆した発言をしています。
この発言から魔族にとって手足を動かすなどの単純動作と魔法を使うのは同じ労力であり、単純動作と魔法のエネルギー源が同じであるとも推察できます。
つまり、魔物や魔族にとって魔力は生命エネルギーでもあるということ。
逆に言えば、魔物や魔族は動かなけば魔力を消耗しないということにもなります。
この仮説が正しければ、ミミックは宝箱に擬態して動かず獲物を待つ戦略と同時に魔力を節約していると考えられます。
生命エネルギーである魔力の消費量が極端に少ないミミックは餓死する個体が少なく、絶滅を免れていると考察します。
魔物であるミミックは魔力が生命エネルギーと考えられているニャ。
動かないことで魔力の消費を抑えて生き残っているそうだニャ。
ミミックは獲物をなかなか得られないから、生存戦略としては理に適ってるのかもしれないっすね!
エピローグ
ミミックのことを知れて安心しました!
これで討伐も余裕っすね!
説明した甲斐があったニャ。
それじゃあ、討伐に向かうとするかニャ。
◆
◆
数日後、とあるダンジョンの最深部にて
やっと最深部っすね!泣
ここまで何体のミミックを討伐したことやら…
その筋肉は伊達じゃないニャね。
君をスカウトした僕の目に間違いはなかったニャ!
あ…ありがとうございます…
ん?向こうに宝箱が2つあるっす!
ミークハイト!
お!片方は本物の宝箱ニャ。
最後の最後にやっと本物が…!
ここまで頑張ったノウキンに宝箱は譲るニャ。
本物は左の宝箱だから、持って帰りニャ。
ウィズニャーさん…!泣
では、お言葉に甘えて宝箱いただきます!
ニヤリ
中身は何かな♪
って、ぎゃぁぁぁぁぁー
君のおかげで楽できたニャ!
本物の宝箱はもらってくニャ!
だ、騙されたっす(泣)
暗いよー!怖いよー!
こうしてノウキンのミミック討伐の冒険は終わった。
しばらくしてノウキンは救出されたが、しばらく猫と宝箱がトラウマになったそう。
読者の皆さんも詐欺には気をつけましょう。
本記事で考察したミミックの大活躍(?)は『葬送のフリーレン』で見ることができます。
漫画界でも屈指の人気を誇るミミック(に食べられたフリーレン)の姿をぜひご覧ください。
今回の記事はこれで終わりです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!