『葬送のフリーレン』を読んだら冒険に行きたくなってきた!
2023年から2024年にかけての大人気アニメ作品である『葬送のフリーレン』。
主人公の『フリーレン』はエルフであり、過去に魔王を討伐した勇者パーティーの魔法使いです。
本作品は彼女が所属していた勇者パーティーが魔王を倒した後の物語。
1000年以上生きたエルフであるフリーレンが人間を知るための旅をする過程が描かれています。
アニメ1期では7巻途中の『一級魔法使い試験編』まで放送されており、2期の制作も決定しています。
単行本は2024年時点で13巻と今からでも非常に読みやすい巻数。
今後の展開が気になるという方は、単行本もオススメです。
僕もフリーレンみたいにダンジョンとか行ってみたいなー
君、ダンジョンに興味あるニャ?
良い筋肉してるし、魔物の討伐を手伝ってほしいニャ!
良い筋肉だなんて照れるますね!
僕でよければ任せてください!
戦士がいなくて困ってたから助かるニャ!
僕は『ウィズニャー』!よろしくニャ!
ウィズニャーさん、よろしくお願いします!
物理攻撃は任せてください!
コイツ、チョロすぎニャ(笑)
単純そうだし、僕の盾にピッタリニャ!
葬送のフリーレンには数多くの魅力的なキャラクターが登場し、人気投票も行われています。
第1位は勇者『ヒンメル』、第2位は主人公『フリーレン』と順当なのですが、第3位で珍事が発生。
なんとメインキャラクター達を抑えて人気投票第3位に『ミミック』がランクイン。
いつぞやの『コイルショック』が思い出されますね。
ミミックはダンジョンなどで宝箱の姿をして、それを開けに来た冒険者を襲います。
ダンジョンには一定数いるようですが、実力者には気にも留められない存在のようです。
要するに、ミミックはダンジョンの雑魚キャラ。
マリオなら『クリボー』、ポケモンなら『ポッポ』のような存在です。
葬送のフリーレンでは、そんな雑魚キャラが人気投票で上位になるという異常事態が発生しています。
人気なのはミミックに食べられているフリーレンというツッコミをしてはいけない。
本記事では、そんな雑魚キャラにも関わらず作中屈指の人気を誇るミミックについて考察します。
今回討伐するのは『ミミック』ニャ!
あの大人気のミミックの討伐!?
僕に倒せるのか…?汗
何をそんなにビビってるニャ?
ミミックはそんな強い魔物じゃないニャ。
えっ、そうなんですか!?
大人気だから、てっきりめっちゃ強いのかと…
人気だからって強いとは限らないニャ。
討伐に行く前にミミックのことを教えてやるニャ。
よろしくお願いします!
っち、面倒くせーやつニャ!
魔力の粒子で体が構成された『魔物』
フリーレンの世界では当たり前のように存在する『魔物』。
作中では現実世界に存在する動物や植物を模した姿の魔物が多く確認されています。
また、現実世界に存在しない『竜』などもフリーレンの世界では魔物に分類されているようです。
恐らく、現実世界で存在しないような姿をした生物の大半は魔物なのでしょう。
宝箱の姿という奇抜な姿も例外ではなく、ミミックは魔物に分類されています。
ミミックは魔物に分類されるニャ。
やっぱりミミックも魔物なんだ!
そういえば、魔物の定義って何かあるんですかね?
その疑問に答えるために、次は魔物の共通点を説明するニャ。
種類によって姿が全く異なる魔物。
しかし、そんな魔物にも共通点があります。
それは死亡後に魔力の粒子となって消えること。
作中で討伐された魔物の大半は魔力の粒子となっているのが確認されています。
魔物は倒されると魔力の粒子になって跡形もなく消えるという共通点があるニャ。
確かに倒すと黒い霧みたいに消えちゃいますよね。
あれって魔力の粒子だったのか。
そういうことニャ。
これは人型をした『魔族』にも当てはまるニャ。
作中でフリーレン一行に何度も立ちはだかる『魔族』。
魔族は「言葉を話す魔物」と定義付けされたと作中で言われています。
恐らく、言葉を話すという性質が人類を欺き捕食するのに最適だったのでしょう。
進化論的に言えば、人類を捕食する魔物にとって「言葉を話すことが生存に優位に働いた」ということです。
さらに、人類に姿を見られても違和感のない人型であることはより生存に優位に働いたことでしょう。
このように人類を欺くことに特化した進化によって生まれたのが魔族と考えられます。
実際、作中で魔族は魔物と同様に死後は魔力の粒子となる描写がされています。
人型をした魔族も魔力の粒子になっちゃうんだ(汗)
普通の生物でこんなことは起こらないニャ。
この共通点は魔族も魔物の一種である根拠ニャ。
一般的な生物はタンパク質や脂質などから成る細胞で構成されています。
細胞の分解には時間がかかるので、死体が瞬時に粒子となって消えることはありません。
つまり、魔物や魔族は体の構成要素から一般的な生物と異なるのです。
恐らく、魔物の定義は「体が魔力の粒子で構成されている生物」といったところでしょう。
体の構成要素から違うとなると、一般的な生物とは分類学的に非常に遠縁であることが予想されます。
ミミックも討伐後に魔力の粒子になることが確認されており、予想される魔物の定義に当てはまります。
当然ミミックも倒すと魔力の粒子になるニャ。
死んだら粒子になっちゃうなんて…
ミミックがちょっとかわいそうですね。
そんな感情は不要ニャ。
跡形もなく葬るのニャ!
ウィズニャーさん、容赦ねぇ…
次はミミック特有の生態について説明する二ャ。
宝箱に擬態する
ミミックの名前の由来は、恐らく英語の「mimic」。
mimicは日本語に翻訳すると「真似をする」という意味です。
ミミックはそれをそのままカタカナにしたド直球なネーミングと言えますね。
そんなド直球な名前を付けられたミミックが真似をするのは、宝箱。
ミミックのように生物が姿を他の物に似せることを『擬態』と呼びます。
ミミックの厄介なところは宝箱に『擬態』することニャ。
擬態は以前教えてもらいました!
確かいくつか種類があったと記憶してます!
知ってるなら、思い出しがてら説明よろしくニャ。
擬態は、それを行う生物の目的によって大きく3つに分類されます。
捕食者に発見されないことを目的とした『隠蔽的擬態』。
獲物を狩ることを目的とした『攻撃擬態』。
あえて目立つことで捕食者を欺くことを目的とした『標識的擬態』。
それぞれの具体例などは以下の記事で説明しているので、お時間あればご一読ください。
ミミックの場合は宝箱を開けに来た冒険者つまり獲物を狩ることが目的の擬態。
このように獲物を狩ることを目的とした擬態は『攻撃擬態』に分類されます。
現実世界では、花に似せて獲物を待ち伏せする『ハナカマキリ』などが有名な擬態ですね。
擬態は『隠蔽的擬態』・『攻撃擬態』・『標識的擬態』の3種類に大きく分けられたはず。
その通りニャ!
じゃあ、ミミックはどれに当てはまるかニャ?
ミミックは宝箱を開けに来た冒険者を襲うから『攻撃擬態』ですね!
正解ニャ!
ミミックは擬態に引っかからなければ襲ってこないニャ。
なぜ絶滅しないのか?
宝箱に擬態して冒険者を捕食しようとするミミック。
魔法が発達していなかった時代では数多くの冒険者が犠牲になったことでしょう。
しかし、作中の時代では宝箱がミミックかどうかを確認する魔法が存在します。
その名は『宝箱を判別する魔法(ミークハイト)』。
宝箱とミミックを判別する『ミークハイト』という魔法があるニャ。
そんな便利な魔法があるんですね!
しかも、この魔法はとても精度が高いニャ。
その精度はなんと99%!
ほぼ外さないってことか!
ミークハイトの精度は驚異の99%。
ミークハイトを使える魔法使いがいれば、作中の時代ではミミックの擬態はほぼ確実に見破れます。
1%の確率に賭けるフリーレンのようなギャンブラーもいるようではありますが…
しかし、フリーレンのような例はかなり稀。
さらに、このような行動をするのは高確率で事後対応可能な実力のある魔法使い。
実際、フリーレンはミミックに食べられた際に内側から爆破していたようです。
このように作中の時代ではミミックが獲物を狩ることは非常に難しいと予想できます。
ミークハイトの普及からどれ程の年月が経っているかは不明です。
しかし、一般的な生物なら絶滅不可避な状況と言えるでしょう。
本章では、このような状況で「なぜミミックは絶滅しないのか?」を考察したいと思います。
作中でのミミックの描写が少ないので、筆者の想像が多大に含まれることをご了承の上でご一読いただけると幸いです。
ミークハイトさえあればミミックの討伐は楽勝ニャ。
確かに便利ですけど、こんな魔法があったらミミックは簡単に絶滅しちゃいそうですね(汗)
なんだかんだでミミックはまだ絶滅してないニャ。
個人的にはミミックが動かないことにその要因があると考えてるニャ。
生物が生命活動をするのにエネルギーは必要不可欠。
現実世界の生物であれば、食物に含まれる栄養などから化学反応を起こすことで得られます。
その際に重要なのは、「生体のエネルギー通貨」と呼ばれる『アデノシン三リン酸(ATP)』。
細かい内容は省きますが、ATPが加水分解されると『アデノシン二リン酸(ADP)』と『リン酸』が生じます。
生体内でこのATPの加水分解が起こることによりエネルギーが発生し、生命活動の源と考えられています。
生命活動に必要なエネルギーの発生には『ATP』が重要ニャ。
ATPが加水分解されるとエネルギーが発生するんですよね!
そういえば、魔力も生命活動に必要なエネルギーなのかな?
いや、魔力はあくまで魔法専用ニャ。
一方で、フリーレン世界の生物はどうでしょう。
フリーレン世界には魔力が存在しており、あらゆる生物が魔力をもっていると考えられます。
もし本当にそうなら、フリーレン世界では魔力が生命活動に必要なエネルギーである可能性があります。
しかし、魔物や魔族以外のフリーレン世界の生物が魔力を生命活動のエネルギーにしている可能性は限りなく低いです。
なぜなら、作中で魔力切れを起こした魔法使いが殴り合いをおっ始めたからです。
魔力が生命活動に必要なエネルギーであれば、魔力切れの状態で殴り合いなどできるはずがありません。
つまり、フリーレン世界の一般的な生物にとって魔力はあくまで魔法専用のエネルギー。
生命活動に必要なエネルギーは現実世界と同様にATPの加水分解によって発生すると考えるのが妥当でしょう。
殴り合いじゃぁぁぁぁッ!!!!
何をふざけてるのニャ。
ちゃんと体力は温存しとくニャ。
すいません、つい叫びたくなってしまって…
ところで、魔物や魔族にとっても魔力は魔法専用のエネルギーなんですかね?
いや、魔物や魔族は普通の生物とは魔力の扱いが違うニャ。
フリーレン世界の一般的な生物にとって魔力は魔法専用のエネルギーですが、恐らく魔物や魔族は事情が異なります。
なぜなら、魔物や魔族は体そのものが魔力の粒子で構成されているからです。
つまり、魔物や魔族にとって魔力は体の一部。
作中でも『黄金郷のマハト』が魔法を手足のように使えることを示唆した発言をしています。
この発言から魔族にとって手足を動かすなどの単純動作と魔法を使うのは同じ労力であり、単純動作と魔法のエネルギー源が同じであるとも推察できます。
つまり、魔物や魔族にとって魔力は生命エネルギーでもあるということ。
逆に言えば、魔物や魔族は動かなけば魔力を消耗しないということにもなります。
この仮説が正しければ、ミミックは宝箱に擬態して動かず獲物を待つ戦略と同時に魔力を節約していると考えられます。
生命エネルギーである魔力の消費量が極端に少ないミミックは餓死する個体が少なく、絶滅を免れていると考察します。
魔物であるミミックは魔力が生命エネルギーと考えられているニャ。
動かないことで魔力の消費を抑えて生き残っているんだろうニャ。
ミミックは獲物をなかなか得られないから、生存戦略としては理に適ってるのかもしれないですね!
エピローグ
ミミックのことを知れて安心しました!
これで討伐も余裕ですね!
説明した甲斐があったニャ。
それじゃあ、討伐に向かうとするかニャ。
◆
◆
数日後、とあるダンジョンの最深部にて
やっと最深部!
ここまで何体のミミックを討伐したことやら…
その筋肉は伊達じゃないニャね。
君をスカウトした僕の目に間違いはなかったニャ!
あ…ありがとうございます…
ん?向こうに宝箱が2つありますよ!
ミークハイト!
お!片方は本物の宝箱ニャ。
最後の最後にやっと本物が…!
ここまで頑張ったノウキンに宝箱は譲るニャ。
本物は左の宝箱だから、持って帰りニャ。
ウィズニャーさん…!泣
では、お言葉に甘えて宝箱いただきます!
ニヤリ
中身は何かな♪
って、ぎゃぁぁぁぁぁー
君のおかげで楽できたニャ!
本物の宝箱はもらってくニャ!
だ、騙されたっす(泣)
暗いよー!怖いよー!
こうしてノウキンのミミック討伐の冒険は終わった。
しばらくしてノウキンは救出されたが、しばらく猫と宝箱がトラウマになったそう。
読者の皆さんも詐欺には気をつけましょう。
本記事で考察したミミックの大活躍(?)は『葬送のフリーレン』で見ることができます。
漫画界でも屈指の人気を誇るミミック(に食べられたフリーレン)の姿をぜひご覧ください。
今回の記事はこれで終わりです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!