久々に水族館行ったけど、クラゲ綺麗だったなー
特に中心が赤くて小さなクラゲを気に入ったっす!
そいつは『ベニクラゲ』じゃな。
小さくても凄い能力をもったクラゲなんじゃ。
クラゲの被り物してるってことはクラゲの博士っすね!
そうとも!ワシは『クラゲ博士』じゃ。
お前さん、初見で正体を見破るとはやるのー
このパターンはもう慣れたもんっすね。
あなたは『ベニクラゲ』という生物をご存知ですか?
傘の中身が赤いのが特徴で、大きさは10mmに満たない小さなクラゲです。
そんなベニクラゲですが、実は不老不死の生物として注目されています。
ベニクラゲは不老不死の可能性を秘めた生物なんじゃ。
不老不死!?
人類の夢じゃないっすか!
興味がそそられるじゃろ?
では、ベニクラゲの講義を始めよう。
ベニクラゲについて知りたい・これから研究したい人の参考となる記事ですので、最後までお読みいただけますと幸いです。
クラゲの基礎【2種類の生き方】
ベニクラゲ以前にクラゲの知識があまりないんっすよね(汗)
それなら、まずはクラゲについて説明しようかの。
クラゲは大きく5つのグループに分けられるんじゃ。
クラゲは刺胞動物門に属し、水中で生活をする種の総称です。
さらに、そこから『ヒドロ虫網』、『鉢虫網』、『箱虫網』、『十文字虫網』、そして『花虫網』という5つのグループに分類されます。
上記グループの多くは一般的に想像されるクラゲの形状をしていますが、花虫網に関しては『イソギンチャク』や『サンゴ』の仲間です。
つまり、イソギンチャクやサンゴも大枠ではクラゲの仲間ということになります。
『イソギンチャク』と『サンゴ』がクラゲの仲間なんて知らなかったっす!
クラゲの生き方を知ると、そやつらが仲間であることに納得できるぞ。
クラゲには『クラゲ型』と『ポリプ型』という2種類の生き方があります。
クラゲ型は、水中を漂ったり泳いだりする一般的に想像されるクラゲの生き方です。
もう一方のポリプ型は、海底の岩や貝殻などに付着して『ポリプ』として成長する生き方です。
一般的なクラゲは「ポリプ型→クラゲ型」と生き方を変えますが、イソギンチャクやサンゴなどの花虫網は一生をポリプ型で過ごします。
クラゲには『クラゲ型』と『ポリプ型』の2種類の生き方があるんじゃ。
イソギンチャクやサンゴは『ポリプ型』の生き方に特化してるクラゲの仲間なんっすね!
そういうことじゃな。
ベニクラゲの不老不死の秘密
ところで、『ポリプ』ってどんな感じなんっすか?
クラゲの種類によってポリプの見た目は異なるんじゃ。
今回はベニクラゲのポリプを見せてあげよう。
ベニクラゲは『ヒドロ虫網』に分類されるクラゲであり、クラゲ型とポリプ型の両方の生き方をします。
オスとメスが存在しており、それぞれの精子と卵子が受精すると赤ちゃんである『プラヌラ幼生』が生まれます。
プラヌラ幼生が海の底で岩や貝殻などに付着して以下の画像のようなポリプになります。
まるで木の枝と実みたいっす!
実のような部分が分離して、クラゲ型のベニクラゲになるんじゃよ。
ベニクラゲのポリプは木の枝と実のようであり、実の部分(画像の赤矢印)が分離してクラゲ型となります。
ポリプを赤ちゃんとすると、クラゲ型になったばかりのベニクラゲは子供であり、時間を経て大人に成長していきます。
普通の生物は大人になったら子供に戻らず死んでいきますが、なんとベニクラゲは条件を満たすことで大人から赤ちゃん(ポリプ)に若返ることができるのです。
大人から赤ちゃんに戻れるなんてチート能力じゃないっすか!?
この若返りの能力が「不老不死の生物」として注目される理由なんじゃ。
万能に思える若返りの能力ですが、能力を発動するためには厳しい条件があります。
その条件とは、生命に関わるようなストレスを受けることです。
具体的には、「海中の水温上昇」や「塩濃度の激しい変化」などの環境的なストレスや「真っ二つになる」といった物理的なストレスが当てはまります。
生命の危機が若返りの条件なんじゃ。
不老不死になれるとしても真っ二つになるのは嫌っすね(汗)
ベニクラゲが生命に関わるようなストレスを受けると、以下の画像のような肉団子状態になります。
この肉団子から数日でポリプが生え、ベニクラゲは赤ちゃんの状態から再スタートするのです。
このように「ポリプ型→クラゲ型→肉団子→ポリプ型→・・・」と続けば、理論上は不老不死ということになります。
あの不味そうな肉団子から若返りが始まるなんて…
死にそうになったら肉団子になり続ければ、完全な不老不死じゃないっすか!
あくまで不老不死は理論上での話じゃ。
実際には、ほとんどのベニクラゲは寿命を迎えるらしいからの。
やっぱり、そんな上手いこといかないんすね(汗)
でも、何千年と生きているベニクラゲがいるかもと夢見ちゃうっす!
ロマンあふれる生物じゃろ?
歌うサイエンティスト『ベニクラゲマン』
今回の講義の最後にベニクラゲの研究者を紹介しよう。
ワシよりもずっと濃い研究者だから覚えやすいぞ。
クラゲの被り物をした人よりも濃いなんて…
一体どんな研究者なんっすかね?
今回紹介する研究者は、『ベニクラゲ再生生物学体験研究所』(以下、『ベニ研』)の久保田 信氏です。
久保田氏は学生時代からクラゲの研究をしており、現在は和歌山県に自身で立ち上げた『ベニ研』の所長です。
ベニクラゲの世話が日課であり、海外出張時も一緒に連れて行って世話をしているそうです。
顕微鏡を観察しながらの餌やりは他人には真似できず、久保田氏のベニクラゲの飼育技術は世界一と言われています。
また、上述したベニクラゲの若返りを同一個体で14回も成功させた世界で唯一の研究者でもあります。
久保田博士、めっちゃ凄い研究者っすね!
でも、そんなに濃い人物ではないような?
ここまでの紹介ではそうじゃの。
ただ、久保田博士は『ベニクラゲマン』に変身するんじゃ。
ベニクラゲマン!?
少年ジャンプの某マンガキャラと間違えてないっすか?
久保田氏は『歌うサイエンティスト』と呼ばれており、自身で約70曲も作曲しています。
そのうちの一曲に『ベニクラゲ音頭』という曲があり、それを歌う時は『ベニクラゲマン』へと変身します。
ベニクラゲ音頭はカラオケで歌える場合もあるので、機会があれば歌ってみてください。
『ベニクラゲ音頭』はカラオケで歌える場合があるらしいぞ。
周囲の反応は保証できんが、機会があれば歌ってみるとよいぞ。
生物好きの仲間とカラオケ行く時は歌ってみようかなー
どうせなら歌う時はベニクラゲマンに変身してみるっす(笑)
ベニクラゲマン(久保田氏)が所属するベニ研は、ベニクラゲなどの観察学習をする場合には予約が必要です。
以下にベニ研のサイトURLを貼りますので、ご興味ある方はご確認ください。
エピローグ
今回の講義はここまでじゃ。
何か感想はあるかの?
ベニクラゲの若返り能力についてもっと調べてみたくなったっす!
ベニクラゲに興味をもってもらえて何よりじゃ。
今回の講義の復習として久保田博士が監修した以下の本を読むと良いぞ。
本記事の参考書籍は以下になります。
クラゲのキャラクター達の解説で話が進むので、とても読みやすいぞ。
ベニクラゲの入門としてピッタリの本じゃ。
帯にベニクラゲマンがいる(笑)
面白そうだし、今度読んでみます!
良い心がけじゃな。
では、ワシは研究に戻るぞ。
クラゲ博士、今回はありがとうございました!
今回の記事はこれで終わりです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!